夏の味わい

鰹の塩タタキ 和風ジュレ添え

鰹はタタキにすることで旨みがぎゅっと閉じ込められます。塩をよくもみ込むことで、フライパン過熱でも身のしまったタタキに仕上がります。
すぐに火が通ってしまうので、焼きつけの作業は手早くするのがポイント。
レシピ by たなかのりこ

冷やして飲むタイプの日本酒ながら、あとまでしっかりと味の感覚が舌に残る「辛口生貯」は言葉どおりキレのある味わい。軽すぎないその口当たりは、素材の味に負けない奥深さを持つ。できるだけ新鮮な肴を用意してありのままの旨さを堪能したいもの。

「辛口生貯」とともに楽しみたいのは旬を迎えた鰹。『目に青葉、山ほととぎす、初鰹』なんていう江戸時代初期に詠まれたとされる俳句でも有名ですが、初物好きの江戸っ子たちが競って手に入れようとしたというエピソードも多数伝えられるくらい貴重な食材だったそう。食通が歴史を作ったとされる江戸の町で賑わいをみせた初鰹、太平洋を北上していくことから「のぼり鰹」とも呼ばれ縁起物としても知られています。

「辛口生貯」は初物で堪能する・・・という粋な楽しみ方はいかがでしょう。キリリとしたのど越しで鰹の旨みをたっぷりと味わうため、お刺身はタタキにします。本来のタタキは藁を用いてさっと焼いたもの。家庭ではなかなか用意できるものではないので、簡単にできる方法をご紹介します。

もちろんタレも手作り。ポン酢にみたて、グレープフルーツ果汁を利用した和風ドレッシングをジュレ状にして添えました。男鹿の塩をすり込んでさっと焼いた“鰹の塩タタキ”を「辛口生貯」とともにさっぱりとお召し上りください。

作り方

<だし汁の作り方>
1.密閉容器に切り込みを入れた昆布と水を入れ一晩おく。
2.鍋に1を入れ沸騰したら花鰹を一つかみ入れて火を止め、鰹が沈むまで待ち、濾す。

<作り方>
―和風ジュレ―
1.和風ジュレの材料のゼラチン以外を鍋に入れて火にかけ、沸騰直前で弱火にして、ゼラチンを振りいれてよく溶かし、火を止める。
2.1の粗熱が取れたらバットなどの平らな容器に薄く流し、冷蔵庫で冷やし固める。
3.レッドオニオンを薄切りにして塩(分量外)もみし、水にさらし、そのあとしっかりと水分を切る。
4.スナップエンドウは軽く塩ゆでしておく。
5.赤パプリカはみじん切りにしておく。

―鰹の塩タタキ―
※ボウルに氷水を用意する。
1.鰹はサクのままよく塩をもみ込む。
2.フライパンを熱し、薄くサラダ油(分量外)をひいて6の鰹を3面さっと焼き、用意しておいた氷水にすぐに入れしっかりと冷やす。
3.2の鰹の身がしまったら1センチくらいの厚さに切る。
4.平らな皿などに鰹を形よく盛り付け、レッドオニオンをのせたら和風ジュレを添える。
5.彩でスナップエンドウと赤パプリカのみじん切りをあしらい、お好みでブラックペッパー(分量外)をふって仕上げる。

材料

鰹の塩タタキ 和風ジュレ添え材料
4人分
鰹の刺身・・・1サク
男鹿の塩・・・適宜
レッドオニオン・・・1/2個(新玉ねぎでもよい)
スナップエンドウ・・・4個
赤パプリカ・・・飾り用に少々

-和風ジュレ-
だし汁・・・150cc
グレープフルーツ果汁・・・100cc
男鹿の塩・・・小さじ1
しょう油・・・小さじ1
みりん・・・小さじ1
砂糖・・・小さじ1/4
粉ゼラチン・・・5g